濃紺の水面がキラキラ光り美しい。自然をモチーフにしたどんな有名な絵画も相手にならない。
凪の瀬戸内海は本当に優しく気持ち良い。こんな日は春も秋も本当に少なくなった。
いつものように師匠の船で沖のポイントに向かう。島の見え方と沖家室大橋の見え方をたよりにポイントを何度も流す。約40メートルの水深の駆け上がりを狙う。
と偉そうに言うが、私は今までホゴメバルしか釣ったことはない。
しかし、今日は初めて強い引きを感じ、引き上げる。水面に暴れるハマチの姿を見た瞬間、釣り針が中指に突き刺さった。歯を抜くのは得意だが、いくら引っ張っても抜けない。師匠が来て見るなり引き抜く。けっこう出血する。毎日血を見ている私だが、弱気になり、気分は『もうだめだ。』のお帰りモード。
ところが師匠は帰らせてくれるかと思ったら、平然と釣り続行。
やはり海の男だ。畑の百姓とは度胸が違う。
そういえば、4歳ころ、ばあちゃんと畑にいて、ばあちゃんが鍬をふるっている所にいも虫を発見し取ろうと手を伸ばしたら、頭に鍬が降りてきて怪我をした。
孫の頭をカチ割ったかと、ばあちゃん焦ったろうなあ。
ところで私は何を言いたいのだろう?海の怪我から畑の怪我に話が飛んだ。
なんか、読む人のことは考えず、思いつきをだらだらと書いてるので、もし読んでる人がいたら、ごめんなさい。
そろそろ人生の終盤なので、衰え始めた脳に残る記憶の断片を書き留めて、どんな人生だったか振り返っているのです。
その作業をしていると、本当にいろんな人にお世話になったと気づかされます。
さて出血してる私を尻目に師匠はコンスタントに釣ってゆく。
私は同じテンポで釣り糸をたぐり上げているつもりだが、『そんな引き方じゃ釣れん。』と言われる。
まあ、師匠は小さい頃から漁師だった父の船を勝手に出して釣りをしていた人。
神の領域に達している。最近は不漁続きで、近くのタテアミも減ったし、漁船も少ない中で、一人釣っている。
近くに頻繁に四国からの遊漁船が来るのだが、釣れても彼らに見られないように上げるそうだ。
そんな師匠だが、最近は高齢のため終わりを考えているらしく、今のドラム缶が空になったらやめると言う。
船も私に譲ると言ってくれるのだが、、、、、
港や船の管理は大変だし、何よりいつまでも元気でいて欲しい。