上の画像は子供たちが欲しいというので買って、少し吹いて投げたもの。
私が吹いても空気が流れる音しかしない。
いつかメルカリに出そうと思っているが、もうかなり古くなってしまったので、購入者からクレームを言われるかもと思いほったらかし。
私は楽器が好きだ。でも音楽はだめだ。
シャープやフラットの意味を知ったのは40歳近くになってからだ。通知表ではいつも評価は3だった。今日はこの誇り高き私に評価3を付けた人のことを話そう。
最近往診の依頼があった。もう10年くらい通院されていた方で、脳梗塞の後遺症や
91歳という高齢もあり、義歯の調整に来て欲しいとのこと。
お家に伺うと囲碁の仲間が来ていて賑やかな様子。『先生、邪魔だからワシらはあっちに行くねー。』と言って、机ごと碁盤を縁側に移動させて変わらず楽しそうに仲間は碁を打ち続ける。
私は汗びっしょりになって義歯の調整をするのだが、話を聞くと、教師をされていたという。
調整しながら続けて聞くと、音楽と数学の先生をされていたという。
『へー、どこで?』とへらず口の私はたたみかける。
すると安下庄中学校にいたことがあるという。
私、『ふーん。』 私は安下庄中学校卒だ。
私『、、、、、、まさか、、、まさかね、、。』当時の音楽の先生の名前を私は覚えておらず確かめようがない。覚えているのはあだ名だけだ。
治療は続く。
やはり紳士でいられない私はついに聞いた。
『先生、あだ名はありませんでしたか?』
すると、右手がゆっくりと上がり、OKマークを作り、こう言った。
『ウェーバー。』
『ああ! やはりウェーバー先生でしたか。私は音楽の歌のテストで先生のピアノに合わせて歌い、先生が苦笑いをしながら記録したことを覚えています。』と私は答えた。
歌う前に注意するポイントとして、最後の音をしっかり5拍伸ばせと言われ頑張って伸ばした記憶がある。実にくだらない事を覚えてるものだ。
あの時、先生はノートの私の欄に評価3って書いてたわけだ。5拍伸ばしたのに。
当時、先生は音楽室に掛けられているウェーバーの肖像画にそっくりのダンディーな先生で、スタイルも良く、物腰は上品、ピアノまで弾けて、、それはカッコいい先生だった。
91歳の今も囲碁をされるとは頭の中まで素晴らしい。
それにひきかえ、10年前に35年ぶりに会っていたのに気が付かず、その後10年経ってやっと再会を感激するという、とぼけた私だ。
安下庄中学校には当時もう一人女の先生がいて、また書こうと思うけど、切腹もののエピソードがある。あ、スカートめくりをしたわけではない、念のため。